学校の検尿で2度蛋白が出て精密検査を受けるのですが、
ビタミンB剤を摂取していることと、関係がありますか?
詳しい方がいたら教えてください。
ビタミンB群には8種類の栄養素があります。
ビタミンB群の中で、ビタミンB6とパントテン酸が蛋白質の代謝に作用します。
ビオチンは蛋白質が分解されたアミノ酸の代謝に関与します。
しかしながら、ビタミンB6・パントテン酸・ビオチンが蛋白尿に関係することは考えられません。
○蛋白尿が出る理由は次の通りです。
◆蛋白尿には『病気で起こる場合』と『生活内容によって起こる場合』があります。
①起立性蛋白尿
問題のない蛋白尿で、特に小学生・中学生に見られる現象です。
腰を曲げることで、腎臓の静脈が圧迫され、尿に蛋白質が混じり、発生します。
尿検査の尿蛋白で発見されることが最も多い蛋白尿です。
起立性蛋白尿なら、ご心配される必要はまったくございません。
②運動性蛋白尿
運動性蛋白尿も、問題のない蛋白尿です。
激しい運動をした後や疲労した後に見られます。
病的な疾患ではありません。ご心配される必要はありません。
③病的蛋白尿
病気が原因で起こる蛋白尿です。
病気の起こっている部位によって更に分類されます。
1-腎前性蛋白尿
腎前性蛋白尿は、腎臓に流れ込む血中の蛋白質の量が多くなったために起こるものです。
原因としては多発性骨髄腫があります。
2-腎性蛋白尿
腎性蛋白尿は、腎臓が持っている血中の蛋白質を通さない機能が低下したことによって起こります。
原因として、ネフローゼ症候群や糸球体腎炎などの腎機能の低下や糖尿病が疑われます。
3-腎後性蛋白尿
腎後性蛋白尿は破綻性蛋白尿とも言います。
腎後性蛋白尿は、泌尿器の血管からたんぱく質が尿内に漏れ出ることで起こります。
泌尿器の腫瘍や尿路結石が原因です。
◆蛋白尿が検出されても、ほとんどが起立性蛋白尿や運動性蛋白尿です。
◆以上が蛋白尿の原因ですから、ビタミンB群とは関連性がない筈です。
念のため、保健室の先生に知らせておく程度で、これからもビタミンB群は摂取して良いですよ。
2度の検尿で出た蛋白尿は問題のない蛋白尿であることは多いですよ。
あまりご心配されない方が良いですよ。
精密検査の時は、起立性蛋白尿・運動性蛋白尿であれば、すぐ分かります。
ご心配されて、ストレスで病気になることの方が怖いので、リラックスされてくださいね。
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